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飲食店の物件選びのチェックポイント (知っておくべき原状回復工事とは)

今回は、新たにお店をオープンする為には、何から始めるのが良いのか、押えておきたいポイントや注意点、また見落としがちな退去持に発生する、原状回復工事について解説します。

どこに出店するのか。(店舗コンセプトやターゲットの選定を明確に)

どのような店舗コンセプト(業態)にするのか、どのようなお客様を見込んでいるのか、客層を吟味し、事業計画をしっかりと練ったうえで、それに見合う立地やエリアを選択しましょう。
店舗コンセプトに見合う街はどこなのか、駅に近い方がいいのか、それとも郊外店が良いのか、よく検討しましょう。
集客が見込めるかどうかを第一に「自分がお客さんなら」という視点を常に持って考えることが重要です。

 

飲食店の物件選び、押えておきたいチェックポイント8選

 

■飲食店の物件選び、飲食店の物件選び、押えておきたいチェックポイント8選

・飲食店営業の業種制限はあるのか

ビルやマンションなどの1階や、一室で開店する場合、ビルマンションの規約によっては、夜の営業が制限されていることがあります。
アルコールの提供が禁止されていることもありますので良く確認しましょう。
飲食店営業が可能な物件であっても、本格的な調理が必要となる居酒屋や焼肉店、ラーメン店などは匂いや煙、夜間営業による騒音などの問題により、オーナーや近隣から後々クレームが発生する可能性もありますので注意が必要です。

・周辺に競合店があるか。

目星を付けているエリア・物件の近くに自分の考えているお店と同じようなコンセプト・雰囲気で営業しているお店はないか確認しましょう。

・昼夜の周辺環境はどうか

昼と夜の人通り、昼・夜と平日・休日、それぞれ実際にどのような人たちが行き来しているのかも確認しましょう。

・駅やバス停など交通の便はどうか

利用するお客さんがどのような使い方をするかをきちんとイメージしましょう。
駅チカが良いのか、郊外でも良いのか。
駐車場の確保の有無や台数も客席とのバランスを考えながら決めましょう。

・路面店なのか、空中階店なのか、地下店舗なのか

基本的に路面店のほうが空中階より費用は高くなりますが、集客力はあります。
コアな客層を求めているような場合、空中階や地下店舗がかえって効果的な場合もあります。
路面店か空中階かは、費用やお店の雰囲気を軸に決める必要があるでしょう。

・候補物件の外観

外観は入店するかどうかの判断材料として重要な役割を担います。
建物として外壁が古すぎないか、窓の有無、近隣のロケーションなどを確認しましょう。
また看板として使って良い壁面スペース、置き看板等を置く為に使って良いスペースは何処までかも、集客に大きく影響してきますので、よく確認しておきましょう。

・前の店の評判は悪くないか

新築以外は、前の店のイメージが浸透している場合が多くあります。
前の店が、飲食店で閉店してしまった場合、「飲食店には向かない立地である」という可能性も考えられます。
前の店の評判や撤退の理由についても、確認できると安心です。

・予算と物件の家賃と売上見込みのバランス

席数、単価、集客回転数などから月間の売上予測としっかりとした家賃比率を出し、毎月の支出と売り上げ見込みに見合った家賃かどうかが重要です。

居抜き物件のチェックポイント5選

■居抜き物件のチェックポイント5選

内装工事の費用を大きくおさえるには、内装・設備が整っている居抜き物件が有利です。
前のテナントが同じ飲食店であれば、すぐにでも開店できる設備は整っていると考えられます。
自身の予算の範囲内で、なるべく必要設備が整っており、自分の実現したいレイアウトと近い物件を選ぶことが重要です。
物件選びを間違えると、スケルトン以上にコストがかかる場合もあるので注意が必要です。

・インフラは整っているか(ガス、電気の容量は足りているか)

開業したい店舗業態に必要な容量があるか
必要な容量は、カフェなどの「軽飲食」か焼き肉などの「重飲食」かで大きく異なります。
テナントによっては現状以上に容量を増やす事が物理的にできなかったり、莫大な費用が必要な事もありますので注意しましょう。不動産屋さんが入っていれば、質問してみましょう。

・給排気の有無(ダクトの設置可否)

重飲食店の場合、大きめの排気設備は必須となります。
排気の臭いが近隣に迷惑をかける事が明らかなときは、建物の屋上等まで排気の出口を延長する必要があります。ダクトがない場合は設置できる物件かどうかを確認します。
専門家に見てもらう事が安心です。

・グリストラップの有無

重飲食店の場合、排水の油やごみをろ過するグリストラップ設備が必須となります。
中華、焼き肉などの油を多く必要とする飲食店の場合、必要とされるグリストラップの大きさが
思った以上に大きくなる事があります。
この辺りも早めに専門家に見てもらう事をお勧めします。

・残っている機器は使用できるかどうか

冷蔵庫やエアコンなどの機器がある場合は、オープン直後に壊れることがないよう、
電源を入れて動くかどうか、気になる匂いはないか確認します。
一度メーカーに見てもらっておくと安心です。

・客席、厨房のレイアウト

実現したいと考えているレイアウトに近ければ近いほど、初期費用が削減できます。
逆にレイアウトを変える為に壁を壊して作り直す場合は、作る費用だけでなく、壊す費用プラス廃棄する為の費用もかかりますので注意しましょう。

 

店舗やテナントの原状回復工事について、退去に向け知っておくこと

■店舗やテナントの原状回復工事について、退去に向け知っておくこと

●店舗を退去する際に必要な原状回復工事とは

原状回復工事とは、設備の撤去や、床、壁、天井の修繕工事を行い、次の店舗が入居できるように元に戻す工事の事です。
大きく2種類に分かれます。
1,自分が入居した時の状態に戻すだけの原状回復工事
2,建物の構造体以外をすべて取り除くスケルトン工事

工事内容で分けると以下のように分類できます。
・内装解体工事
店内の設備や間仕切り壁などを取り除く工事です。
・設備工事
電気周りの配線、ガス管やダクト設備などの修復工事です。
・修繕工事
壁や床に損傷があれば修復し、油やタバコの煤などで汚れていれば、ペンキを塗り直したり、カーペットやクロス等を部分的に張り直す工事です。
・スケルトン工事
建物の構造体以外のすべての内装を解体します。
床や壁・壁共にコンクリート剥き出しの状態にするのが一般的です。
・廃棄物処理
解体工事で発生した建材の廃棄物を処理します。
各自治体により廃棄物処理の法令や条例があるので、法を遵守し処理を行うことが必須となります。

●知っておくべき原状回復工事のポイント

・テナントを退去する際には契約内容によって変わるものの、元に戻す原状回復工事が必要です。
原状回復工事の費用は貸店舗の場合、賃借人(借りる側)が負担し、契約時の元の状態に戻すことが基本です。
住居賃貸の場合、空室クリーニングは、大家の負担で行われることが多いですが、店舗の場合は、借手が負担することが一般的で、契約書にもそのように記載されてることが多いです。
とくに大きく間取りを変更した場合は、間仕切り壁だけでなく、そこに繋がっている天井や床も直す必要が発生する事が考えられます。
必ず工事を終了させ、物件を貸手に引き渡さなければならないため、きちんとスケジュール管理を行いましょう。

・厨房や排気設備を変更するラーメン屋や居酒屋・焼き肉店は、もともと設備費用がかかる業態です。
そのため原状回復費用が高くなりやすい事が懸念されます。
店舗の原状回復工事の場合、修繕だけではなく、看板や設備の撤去も必要となり、居住用とは違う費用が掛かるので注意しましょう。

・原状回復工事としてスケルトン工事を求められることも。
その際は内装解体工事、スケルトン工事、廃棄物処理までが一連の作業となります。
一般的に借りた際にスケルトン状態であった場合は、スケルトン工事を求められる事が多いでしょう。

●原状回復工事による退去時のトラブルに注意!

・居抜き物件でも、スケルトン工事を求められることがあるので注意
居抜き物件は設備や間取りの費用を抑えられるというメリットがありますが、その代わりに退去する際にスケルトン状態にしてくださいという契約になっている事もあるので注意が必要です。
退去時の状態は、契約前に必ず、不動産屋さんやオーナーに確認しましょう。

・造作譲渡で居抜きとして引き渡すことも
居抜きとは賃貸借契約において、内外装や設備をそのまま残してある状態のことです。
飲食店の場合、廃業した前テナントと同業態であれば、前テナントのオーナーと新しく開業する借り主の両社にメリットがあります。

オフィスビルやショッピングセンターなどでは、原状回復の工事業者を大家さんや管理会社が指定する場合があります。また養生費や管理会社の監理費用を請求される物件もあります。
土日や深夜にしか工事許可がおりないテナントもありますので注意が必要です。

何事もオーナーとの合意をきちんと取り、書面などで残してトラブルを避けるようにしましょう。



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