店舗デザイン

店舗の照明デザインや設計、お店に合った選び方

●店舗の照明デザインや設計、お店に合った選び方

(照度・色温度・光源・演色性など照明のポイントを押さえた照明設計)

・お店のレイアウトや種類ごとに使い分けるべき照度とは

店舗の照明の役割とは単に明るければ良いというのではなく、空間の演出として見せたいものを引き立て、顧客の目を引いて来店者を増やし、主役となる商品やサービス、店舗の内装デザインを引き立て購買意欲を盛り上げるように演出する事が求められます。

顧客を店外から店内へ引き入れる事、商品などは視覚的に美しく(美味しそうに)見せる事や、接客やサービスを効果的に見せる空間の演出を行なう事が重要となります。

その空間における楽しさや充実感のような心理的な満足感が必要な空間では、商品の見え方のような機能の充足は当然のこととして、売り場に応じた雰囲気づくりも重要です。

したがって、店舗照明は照明による空間演出と商品演出の2つの面を考慮しておく必要があります。
前者は人間的な面、つまり顧客の心理的な部分に働きかけて店に呼び込むための演出方法です。
後者は物の面、つまり商品の特長を十分に発揮させることを主眼におく演出方法です。

・色温度とは人が見たときに感じる光の色味。色温度で料理や商品などの見え方が変わってきます。

色温度=光の色味の値。単位はK(ケルビン)です。

光源の色温度によって人々はさまざまな心理的影響を受けます。色温度が5000K以上になると、青みが強くなって涼しい感じを与え、3300K以下では、赤みが多くなって暖かい感じを与えるといわれています。

なお、人は5000K程度の色温度を「自然な色」と認識するようです。
照明においては、2700K〜3000Kの電球色、3500Kの温白色、4200Kの白色、5000Kの昼白色、6500Kの昼光色と5段階に分けられています。

環境の色温度の違いは人の心理に影響を与えます。高い色温度の光には清々しい明るい印象があり、低い色温度の光には落ち着いた温かい印象があります。そのため一般的に、オフィスや工場などの作業環境では高い色温度の光が、住宅やレストランなどのリラックスするための空間では低い色温度の光が照明として用いられています。

また、色温度には適した照度があります。色温度と明るさの組み合わせを誤ると、人にとって不快な光となる可能性があります。

A.A.クルイトフによるクルイトフカーブという有名なグラフがこれらを明確に示していて、照度が高い場合は色温度も高い方が快適に感じ、照度が低い場合は色温度も低い方が快適に感じます。照度が高いのに色温度の低い明かりは暑苦しく感じ、照度が低いのに色温度が高いと薄気味悪い感じがする。クルイトフカーブの快適な領域から外さないことが、空間を照明する際の大切な前提となります。

・どのように見えているのか演色性を意識する

LED・蛍光灯・白熱灯など光源の違いよって物の色の見え方も変わります。
これを照明の「演色性」と言い、照らした物の色合いが太陽光の下で見る場合と比較してどれくらい再現できているかを表します。

演色性は「Ra」で表され、太陽光を基準とした光で試験体を見た時の見え方の数値を最大の100とし、テストする光で照らした時の見え方がどれくらいずれているかを数値で表します。
テストする光の見え方の各値が100に近い程、太陽光に近く演色性が高いと言えます。

白色電球の光が食べ物をおいしそうに見せるのは、演色性が良いためです。
また、同じ照度なら演色性が良い方が明るく感じます。

 

●光源ごとの特色

・LEDの特色

LED照明は、発光ダイオードを使用した照明器具のことです。現在照明器具の主力光源となっています。
一般的なLED照明器具のRa値(平均演色評価数)は60~85程度ですが、一部には、Ra値が90以上の高演色性LEDと呼ばれるものも作られ使用されています。
蛍光灯、白熱灯に比べて消費電力が少なく、消費電力を比較するとLED電球は白熱電球の約8分の1で使用できる超省エネ照明と言えます。
さらに40,000時間ともいわれる高寿命を誇り、高効率かつ経済性の高い光源となっています。
LED照明は、紫外線や赤外線をほとんど含んでいないため、照明器具で店舗の商品が日焼けすることや、虫が寄って来るなどの問題も防ぐことができます。人体への影響もほとんどない為、安心して使用する事が出来ます。

・蛍光灯の特色

蛍光灯は低圧にしたガラス管内に放電を行い、発生した紫外光を蛍光体で可視光に変換するもので、蛍光体の種類ごとに異なる光源色や演色性の光を得ています。
広い範囲を明るく照らす蛍光灯は、拡散光なので眩しくなく、物の陰影が付きにくいのが特徴です。同じワット数の白熱灯よりも明るく、発熱量も少ないのですが、スイッチONからフル点灯まで、やや時間のかかるものもあります。
現在大手メーカーは一般住宅用蛍光灯器具のうち「FL型蛍光管」と「FCL型蛍光管」を用いる従来型器具の生産を大幅縮小しており、現行モデルはスリム型(FHF・FHD・スパイラル・二重環型)が殆どとなります。
またグローランプ(点灯管)を用いる従来型器具も一般住宅向けは生産が大幅縮小され、現行モデルは流し元灯や廊下・物置用のみとなっています。

・白熱灯の特色

柔らかく暖かみのある色が特徴の白熱灯は、陰影ができ、立体感が強調できるのが特徴です。
一般の人工光源の中では演色性に特に優れており、くつろぎ感やムードを演出し、料理をおいしく見せる効果があります。
スイッチを入れるとすぐに点灯するので、廊下や階段などON・OFFを頻繁に行う場所によく使われます。ランプ単価が低く、小型軽量で取替も簡単です。好みに応じて調光が容易で、電気を効率よく使えます。

●店舗照明で使われる種類やスタイルについて

・店内全体を照らすベースライト

部屋全体に光を当てる基礎的な照明器具のことで、さまざまな空間で利用でき、天井などの間接照明演出にも欠かせない照明器具です。

・天井をすっきり見せるダウンライト

ダウンライトは天井部分に直接埋め込む照明器具です。
ベースライトだと事務所っぽくなってしまう…会議室は来客が多いので雰囲気を変えたい。
そんな時はダウンライトがオススメです。
ダウンライトはベースライトより光を照らす範囲は少ないですが、適数を設置すれば明るさと落ち着いた雰囲気を両立させることも出来ます。

・目立たせたい場所を強調するスポットライト

スポットライトは1点を集中して照らしたい時によく使われる照明器具です。
エントランスのサイン部分や、陳列した商品等強調したい場所を照らす時などに使用されます。

・ムードを演出する間接照明やキャンドル

落ち着いた大人の雰囲気を創出したい場合や、ムーディーな空間づくりには温かみのある間接照明を用いたり、LEDとは違った風合いの光源となるキャンドルの炎は色温度が低く、落ち着いていて、くつろいだ雰囲気の照明となります。



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