施工・工事

内装工事とは?知っておきたい流れや費用について

建築工事とは一から建物自体を作る工事であり、新築工事/増築工事/改築工事があります。
対して内装工事とは出来上がった建物内部の工事の事を指します。具体的には、間仕切り壁、建具の設置、床・壁・天井の仕上げ工事等があてはまります。

内装工事は一般的に建物内部の床・壁・天井表面の仕上げ工事を指す事が多いですが、店舗の内装工事では、その他にも電気・水道・ガス等の設備工事も含めて使われる事もあります。実際に店舗を新規出店または改装をする場合は、様々な設備工事も内装と同じタイミングで行う事が多い為、総称として内装工事と呼ばれるのでしょう。

【設備の例】

・電気設備 メーター、分電盤、照明器具、スイッチ、コンセント、設備を動かす為の電源配線工事。
・給排水設備工事 メーター、便器、手洗器等、厨房シンク、グリストラップ、給排水配管。
・ガス設備工事 メーター、コンロ、フライヤー、配管設置工事。

内装工事の主な流れ

【業者との打合せ】

まずお客様からのご希望を、詳しくお話しして頂く事から始まります。建築工事と違い、箱の大きさが決まっている事から、全てのご希望を叶えようとすると、どうしても矛盾がでてくる事もあります。数々の法的規制をクリアする必要や、物件によっては建物のオーナーや管理会社から定められた特殊要求を満たさなければならない場合もあります。

さらに法的規制や立地、空間の制限によるスペースの問題、如何にしてお客様に大勢来て頂けるような店構えが作れるか等、複雑に絡み合うパズルを解いていかなければなりません。そのためにお客様の御要望をもとに物件の実測や写真撮影、既存のインフラ設備の有無や位置等の現地調査を行い、プラン作成の為の資料を揃えます。

【平面レイアウトやパースの作成】

配置として、お客様の要求を満たす事ができるか、平面レイアウト図の作成を行います。平面にて配置レイアウトを再現した後は立面図/展開図等の別角度でイメージを表します。その後は写真やパースなどより具体的に御要望を再現し、打合せを進めていきます。

設計をするにあたり飲食店で言えば、何の料理を出すかによって厨房機器の種類が変わってきます。例えば、ケーキ屋では大きなオーブン設備/たこやき屋ではタコ焼き器/ラーメン屋では麺茹で機/アイス屋ではソフトクリーム製造機/居酒屋では各種調理器具、ドリンク及びビールサーバー等、必要になる厨房設備も大きく異なります。

また、店舗の客席数によって目指す収益にも差が生まれます。ホールの客席数を増やせば顧客の回転率の向上や見込める売り上げも上がりそうではありますが、その分厨房面積の割合は小さくなります。厨房と客席の割合は、単純に客席もしくは厨房が広ければ良いのではなく、店舗にあった作業効率と空間のバランスを考えることも重要になります。
このような事なども踏まえ、平面的なレイアウトの検証を何度か重ねつつ、動線も確保しながら店舗全体のデザイン等を詰めていきます。

【工事費用の見積もり・契約】

ヒアリングや打合せを行い、ある程度内容がかたまった所で、見積もり作業に入ります。主に床・壁・天井、様々な建材から最適なものを選定し適正な金額を算出していきます。空調設備/タイルカーペットやロールスクリーンなど、カタログから好きなものを選んで頂きます。もし提示された見積書の内容に納得がいかない場合や変更点が発生した場合は、希望に近づく様に内容を変更し、見積もりを再提出してもらいます。
見積もり内容、工事工程等、施主の希望に沿う内容が提出されたらいよいよ契約となります。

【着工・完成後の引き渡し】

工事契約書にサインをするといよいよ着工です。契約前に提示された工程表をもとにスケジュール通り工事が進行します。重要な工程では、立ち会いさせてもらう事も重要です。

このような項目は施工会社から確認のお願いがあると思います。
・間仕切りの位置等で通路の幅が実際にどれくらいとれるか。
・カウンターの高さはイメージ通りか。
・塗装の色はイメージ通りか。
自身でも気になる所は、施工会社と相談の上、確認させてもらいましょう。施工途中での内容変更が可能な事もあります、気になった事はどんどん相談しましょう。

工事完了後は出来上がりに不具合がないか、工事担当者や営業担当者とともに現場の確認を行います。例えば、床の素材や壁のクロス、シートなどに傷や汚れはないか、窓や扉の建具の開け閉めはスムーズに行えるか、設備類は正常に動くか、不具合が生じていないかといったことを徹底的に確認していきます。不具合が無ければいよいよお客様に引き渡しとなります。

【その後のメンテナンス】

ある程度年数が経過すると設備機器や建材は劣化したり不具合が生じたりします。どんなに気をつけていても不特定多数のお客様の来店する店舗では不測の事態が発生する事もあります。
弊社では、水漏れ・漏電・空調設備の故障等、各種の修繕を行っています。その他にも建具の調整・ガラスの破損の修理など建物に関係する内容全般を扱っておりアフターフォローも万全です。

修繕事例として、飲食店の水道からの水漏れや、パチンコ店の照明器具の交換、また事務所の扉の建付け補修、駐車場の車輪止めブロックの交換などの幅広い範囲で対応を行っております。

内装工事の費用について

物件が居抜きかスケルトンかによって費用は大きく変動します。まず居抜きは、前のテナントが使用していた設備や什器が残っている状況で借りることができる物件です。同じような店舗でテナントとして入る場合は極端ではありますが、看板/サインのみの変更で開業が可能な場合もあります。

その一方でスケルトンとは居抜きとは異なり設備や什器はもちろん、床材や壁材が無くコンクリートむき出しの物件になります。

居抜き物件、スケルトン物件ともにそれぞれメリット、デメリットがありますので自分にあった物件を選ぶ必要があります。

居抜き物件の最大メリットはスケルトン物件とは違い、前のオーナーが使用していた内装の仕上げ、設備や什器が残っている為、比較的低コストで開業できます。さらにスケルトン物件は工期が長いのに対し、居抜き物件は短い期間でオープンさせることができます。

居抜き物件のデメリットはレイアウトの大きな変更が難しいことです。作り込まれていればいるほど、前店のイメージを払拭することも難しくなります。古い設備や品番の記載のない設備等がある場合はメンテナンスにも影響が予想されるので注意が必要です。

逆にスケルトン物件のメリットは何もない空間からレイアウトをプランニングが可能な為、よりご要望に近い店舗を実現できることです。設備等も新品を使用するため修理で悩まされることも少ないでしょう。

以上を踏まえ、投資コストを抑えたい方や、すぐに出店したい方は居抜き物件、一方レイアウトや設備をしっかりとこだわりたい方はスケルトン物件を選ぶとよいでしょう。

居抜き、スケルトンとは?違いやメリット・デメリットを比較

さらに基本的にはお店の規模が大きくなるほど、施工費の坪単価は低くなる傾向にあります。これはスケールメリットもありますが、内装工事の中に占める設備の額に関係しています。
例えば、飲食店で客席1つ1m2増えたとしても、施工金額として増えるのは、床・壁・天井の仕上げ材料1m2分と客席、テーブル、照明器具程度です。但しその前提としては、営業の為に必ず必要な、各種厨房機器、エアコン、トイレ、レジカウンター等と設備備品がある事です。この営業に必ず必要な設備費用の額が、単純に内装の坪単価費用に比べて大きくなる事が、坪単価に現れてきます。もちろん客席が増えれば、設備も増やさなければならない事もあり、一概には言い切れません。



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